テラフォーミングマーズ よくある質問とルールミス②
①が長くなったので
「資源」 「企業」について書きました。
「資源関連」
・資源の所持量、産出について
所持量や産出量に上限はない。
プレイヤーボードの産出量はMCなら49、それ以外なら29が最大になっているがそれ以上にになることも可能。
逆に産出にマイナスの値があるのはMCのみでプレイヤーボード上にある-5が下限となっている。
つまりMC産出-5や電力産出0の状態では使用できないカードが存在する。
・建材、チタン
建物タグのプロジェクトカードを使用する時、手持ちの建材を1個2MCとして支払える。
例えば40MCの建材カードに対して
36MC+2建材(36+2×2)
20MC+10建材(20+2×10)
20建材(2×20)
上記どれでも払うことができる。
チタンの場合は建物タグではなく宇宙タグの使用時に1個3MCとして扱える。
どちらも過剰に払わざるをえない状況でも、お釣りが出ることはない。
・植物
カードのプレイ条件で「既に最大になっているグローバルパラメータを更に上げる効果は無視してプレイしてもよい」というものがあり、例えば海洋タイルが全て置かれた状態でもマリネリス湖を効果なし勝利点カードとして使用することができるし、極冠の雪解けをパス券として使用することができる。
というルールがあるのでマップが埋まっている場合でも「植物8で緑地を建てるアクション」を行って実際にはなにも起こらないパス券になるのではと考えたが、メーカーのQAで「そのアクションは行なえません」と回答された。
・温熱
上記と同じで温度最大のときにパス券にしようとしたが、これもNGだった。
・資源のマイナスについて
巨大氷小惑星のような誰かの資源をマイナスする効果は
・対象は自分含めて誰でも良い
・対象をを選ばないことを選べる
・対象を割る振ることはできない
・産出のマイナスについて
小動物のような誰かの産出をマイナスする効果は
・対象は自分含めて誰でも良い
・必ず対象を選ぶ必要がある
・対象を割る振ることはできない
①と合わせてここまで初心者あるあるが多かった。
次の企業からは長い上に個別の内容が多いので企業カードで迷ったときにでも参考にしてほしい。
「企業関連」
・開始時のアクション
タルシス共和国(基本)
バレー・トラスト(プレリュード)
などの「ゲーム開始時のアクションとして」とは「この企業のプレイヤーの第一ターンの1アクション目に誘発する効果」ということである。
読めばそのとおりだが、ゲームの流れがわかるまで勘違いしやすく自分は当初「このゲーム開始時に」という効果だと思っていた。
つまり、この効果を持つ企業のプレイヤーは1ラウンド目の第一ターンには任意のアクションは一度しか行えないということになる。逆に言えば第一ターンに何もしなくても様子見のパスができるとも言える。
・タルシス共和国(基本)
定期的に出る3MCもらう効果は火星じゃないともらえないの?問題。
和訳では「火星上に都市が配置されたらMC産出+1。自分で配置したら3MC獲得」とカードに書いてあり「。」でくぎってるから貰えそうに見えるが、それだと何を配置したら3MCもらえるんだよって話。
原文を見たところ問題の箇所が「When you place a city tile,gain 3MC.」と書かれているので、もらえるはず。フォボス宇宙港や金星にいくつかある都市でももらえるし首都でも効果を誘発すると思う。
つまりタルシスの正確な効果は
・最初のアクションで都市を無料で配置
・火星上に自分含めて誰かが都市を配置したらMC産出+1
・自分がどこでもいいから都市を配置したら3MCもらえる
以上の3つの効果を持つ企業ということになる。
長々と書いたが①の緑地タイルの項で述べたように「カードに書かれたテキストはアイコンを補完するものであり基本的にはアイコンを参照してプレイしてほしい。特別な場合は*で補足している」というのを思い出しながらタルシス共和国のカードを見れば一目瞭然である。
・採掘ギルド(基本)
①で書いた通り採掘地帯、鉱山採掘権と同じような書き方をしているがこちらは建材産出+1しかできないことに注意。
またテキストには「配置ボーナスで建材を獲得したら産出+1」とあるので「建材2個獲得できる場所なら産出+2では?」と言われたがこちらも原文では「on the map」とあるので踏んだマップ数のみを参照していると思われる。なので上記の例では+1である。
・テラクター(基本)
・クレディコー(基本)
・惑星間シネマティクス(基本)
いわゆる「安くなる」企業だが、
・テラクター「地球タグのプレイ時、-3MC」
・クレディコー「20以上のコストを支払った後、4MC獲得」
・シネマティクス「イベントのプレイ時、2MC獲得」
と書かれている。「安くなる」と「プレイしたら安くなった」は大きな違いで、結果的にはテラクターは最初から減っている状態でカードをプレイでき、その他は条件による表現の違いがあるがプレイ後にキャッシュバックするという点が違っている。つまり、後者はプレイ前にMCやコストを所持していなければプレイすることができないことになる。
しかし、テラクターとシネマティクスはどちらも「プレイ時」と書いてあり、おおよそ問題にはならなそうだが正確な処理をするとでシネマティクスはイベントカードの効果処理前に金を得るのでは?と気になったので原文を確認した。
テラクター「When playing an Earth card,」
シネマティクス「Each time you play an event,」
とあり、~するとき、~するたびでカードの使用前後を分けているのだと思われる。
長くなったがつまり、「軽減する効果は軽減を適用して払えればプレイしていいよ」「キャッシュバック系は最初に全部払う必要があるよ」と覚えておけば良いだけで、テキストや処理を深読みしすぎて面倒な説明になったが考えれば当たり前のことである。
このゲームの和訳テキストでの処理は悩んだら基本的にストレートまたは好意的に解釈すればよい事が多いのだが、上記のコスト払いの件はともかく本当にそこまで好意的に考えていいのか?それは得すぎないか?と考えてしまう効果があるのも事実(他プレイヤーが良い効果を得るときは特に)で処理に悩むことが多い。
話をコスト軽減に戻す。ゲームが終盤になるとこの手の軽減効果やキャッシュバック、さらに建材やチタンや企業効果、配置ボーナス等がいくつも絡んで計算が複雑になることがある。ついコストを全部払ってからカードを場に公開しがちだが、計算ミスや条件の見落としで巻き戻した経験は誰しもあると思うので、プレイするカードを場においてからしっかりとコスト読み上げるなりして払うほうが周りにもわかりやすく、何かあっても指摘できるので余計な誤解を産まずスムーズに進行できると思う。
・インヴェントリクス(基本)
グローバルパラメーターを±2できる、とあるので画像には無いが後に拡張で追加されたグローバルパラメーターである金星評価の条件も緩和できる。
これは特化デザインも同じ。
金星評価しか緩和できない明けの明星(ヴィーナス)はインヴェントリクスを売却された?企業らしい。でもこの二択なら方向決めやすいので明けの明星のほうがやりたいね。
・ポリュペモス(コロニーズ)
・テララブス開発(動乱)
通常3MCのカードの購入コストが前者は5MC、後者は1MCになる。
カードテキストに「カードの購入コストは」としっかりと書いてあるのでビジネスネットワーク、発明家ギルドの際にも適用される。
立ち入り制限区のような引く効果などには適用されない。
・アルカディア共同体(プロモ)
カードには「プレイヤーマーカーを「共同体」として自分のマーカーのあるマスに隣接する何の予定地でもない空きマスに配置する」とある。
上記の「自分のマーカー」が指し示すものが「共同体」のことなのかそれを含め「タイルに乗っているマーカー」も示すのかわからなかったが「YOUR TILES OR MARKED AREA」とあるのでとにかくマップ上に自分のプレイヤーキューブがあるマスの隣で予定地で無ければ良いようだ。
・ファクトルム(プロモ)
「電力がなければ電力産出+1できる」アクションを持っている。
この「電力」が手持ち資源なのか産出量なのかわからなかったが「NO ENERGY RESOURCES」とあるので手持ちの資源の電力が0ならば良いらしい、産出量の場合は「production」と書かれているので(多分)
・セレスティック(ヴィーナス)
アクション:好きなカードに浮遊体を配置。
同じような「好きなカードに○○の資源を置く」カードはいくつかあり詳しくはそのうち、ウイルス・エンハンサの項目で書くと思うが結果としては、
「そのカードに置けない資源は置くことができない」
ということになっているので裏を書いた使い方やパス券にしたりはできない。まあほとんどの場合は、置くカードには1/3VPや2個で何かになるような効率の悪い何かがついているので素直にそれに置けばいいのだが。
・マニュテク(ヴィーナス)
産出を増やした瞬間にその資源をもらえる。
前述の採掘ギルドの件もあり最初に疑問だったのが、これは増やした産出分その資源がもらえるのか?ということ。
結果としては産出を増やした分だけその資源をもらえる、首都なら配置した瞬間5MCもらえるし、省エネルギー対策をプレイしたときに都市が15あれば電力が15もらえる(そんなにいらないだろうが)
次に考えたのが「好窒素苔類」を植物0の状態で使えるか?という事だった。
つまりカードテキスト内の植物産出+2の効果から処理し、マニュテクの企業効果で植物を+2し、得た植物でカード内の使用条件の植物-2に使ってしまえという暴論も暴論である。素直にカードを読める人ならできるわけがない。
しかしこれも結果としてはできてしまうのだ。これが理由を理解するのに困った。
説明が長くなるが、理由としては①の緑地タイルの項で述べたように「カードに書かれたテキストはアイコンを補完するものであり基本的にはアイコンを参照してプレイしてほしい。特別な場合は*で補足している」ということとルールブックP9の「複数の即時効果(および今プレイしたカードによって起動する他の効果)があれば、それらを好きな順で実行することができます」という二つの文言からである。
つまり強引な言い方をすれば「*がなければカードのアイコンだけを見て実際のカード効果は自由な順番に処理していいよ」ということになる。
この一連の挙動で参照しているカードのアイコンは
・条件の海タイル3つ
・好窒素苔類のカード効果の植物-2
・好窒素苔類のカード効果の植物産出+2
・マニュテクのカード効果(今回の場合は)植物+2
で条件は先に満たす必要があるのでまず海タイル3つがあるかを確認し、そこで次にカード効果を自由な順に処理できるので
①(条件)海タイル3つ
②(カード効果)植物産出+2
③(カード効果)植物+2
④(カード効果)植物-2
の順に並び替えることで可能になるという寸法だ。
ここまで読んで、または途中からおかしくないか?と思う部分があるはずでカードの使用時にはまず条件を満たさねば使用できないというルールがあってそもそも条件に海洋3枚以上、植物-2消費って書いてあるじゃん満たしてないじゃん、と自分も思っていたので更に解説する。
何度も言うが基本的にアイコンだけを見てほしい。それはテキスト部分を見ているからであって、実際にはこのカードの使用条件はカード左上部分(例で言えば海タイル3つ)以外の条件は無いのだ。
これに関しては非公式とはいえデザイナーがこの問題について解説していたのでそういうデザインならばと意図を汲んだ次第である。
というわけで結果的には
・左上の条件のアイコンを確認し使用の可否を判断
・同じタイミングのカード効果のアイコンをすべて自由な順序に並べて処理する
・処理した効果で誘発した企業や青カード等の効果を他の効果の前に処理しても良い
・*がある場合だけテキストの補足を注意する
となる。非常に説明がややこしく書いていて自分でも伝わるのか不安になっている。
しかしこのルールを理解していないとこの効果中にこの効果挟んでいいの?なんでそうなるの?となることが必ずあるので覚えておくとゲームがスムーズである。
このルールにより
電力産出+1、MC産出-5(MC産出の下限)の状態のタルシス共和国で移民都市をプレイすると
①左上の条件:無し
②移民都市カード効果:都市を置く
③移民都市カード効果:都市配置でMC産出+1(MC産出-4)
④タルシス共和国カード効果:都市配置でMC産出+1(MC産出-3)
⑤移民都市カード効果:電力産出-1(電力産出0)MC産出-2(MC産出-5)
⑥タルシス共和国カード効果でMC+3
という処理順にすることでMC産出-5のタルシス共和国で移民都市を建てることができるはずである。恐らく一生出会えないだろうが。
同じくMC産出-4のポセイドンでマイノリティ避難所をプレイすることも可能である。
こちらも一生出会うことはないだろう。
・アリドール(コロニーズ)
新規タグを獲得するたびMC産出量+1の企業。
イベントのタグでは増えない。
イベントのタグはシャトルなどの軽減系、テラクターなどの「プレイ時に~」のときは参照するが、アリドールは「獲得するたび」なので使用後に裏向きになるイベントカードはタグを獲得したことにはならない。「建設師」等のタグ参照の称号のときにイベントは数えないのと同じである。
・フィラレス(プロモ)
自分のタイルに他の誰かがタイルを隣接させた時、好きな資源を獲得できる。
じゃあ動物増やしたら強いじゃん!と思っていたらQAでプレイヤーボード上の資源しかもらえませんときた。残念。
・テラクター(基本)
・ポイントルナ(ヴィーナス)
「○○タグをプレイしたとき」に誘発する効果をもつ企業。
テラクターとポイントルナはどちらも「地球タグのカードをプレイした時」で問題となるのが月の総督で地球タグを二つ持っている。
・「カードをプレイした時」だからタグがいくつあろうがカードは1枚だから1回誘発
・「地球タグをプレイ」だからタグ2個で2回誘発
とどちらとも取れそうだが、結果としてはどちらの企業も効果を2回誘発し、月の総督であればテラクターはタダでプレイできるし、ポイントルナなら2ドローできる。
例によって原文を確認すると
テラクターは「When playing an Earth card, 」
ポイントルナは「When you play an Earth tag,」
となっていてこれだけ見るとポイントルナだけが2回誘発しそうだが、これは最初に出た基本セットゆえの英語の表記揺れらしく、これ以降「(タグ名)card」を参照して反応するテキストは無くこの頃のcardとtagは同じ解釈をして良い(ソース見つからず)
また再三になるが「アイコンを参照すること」だ。アイコンを理解すればこのゲームは誰とでも遊べる設計になっている。
同じように
・アークライト(コロニーズ)
は動物と植物タグで誘発するので高度な生態系で2回誘発する。
企業は40枚程度だしすぐ終わるだろうと思ったら意外とこれまでに議論したカードが多く長文になってしまった。
間違いや指摘、足してほしい項目があればTwitterにて。